大地への尊敬の念、深い愛情、情熱
そして果てしない手間から生まれる
最高品質のオリーブオイル
カペッツァーナ
(Tenuta di Capezzana)
農業博士 フィリッポ・コンティーニ・ボナコッシ(Filippo Contini Bonacossi)
トスカーナ州(Toscana)
2024年 搾りたてオリーブオイル
生産者からのメッセージ
カペッツァーナをお求めいただきまして、心より感謝申し上げます
今年は、春から夏の始めまで豊かな雨に恵まれました。
4月に蕾があれば樽をたくさん準備する、という昔の農民たちの言葉通り、5月にはたくさんのオリーブの花が咲き誇り、畑が白く見えるほどでした。オリーブの実は順調に生育し、ひさしぶりの豊かな収穫年に。
素晴らしい実りにオリーブの枝がしなるほどで、何年も待ち望んでいた風景が畑に広がりました。
搾油所では、新世代の技術を導入し、オリーブが持つポリフェノールなどの栄養素をそのままに抽出できるようになりました。また、オリーブの風味もより豊かに仕上がります。
今年のオリーブオイルの質は本当に素晴らしく、これまでの収穫の中で最上といえるかもしれません。
カペッツァーナ一同、日本のみなさまに私たちのオリーブオイルをお届けできることを、心より嬉しく思っております。
心よりの感謝と敬意を込めまして
Filippo Contini Bonacossi
カペッツァーナ農園
コンティーニ・ボナコッシ伯爵家
農学博士フィリッポ・コンティーニ・ボナコッシ
※2019年より、日本向けのオリーブオイルはテラコッタのかめから、ステンレス製のコンテナーに変更しています。
フィリッポ氏の言葉
ーあなたにとって『伝統』とは?
伝統とは、先人が遺した智慧の上に自らが立っていることを認識すること。そこに留まることでなく、改革することであり、またさらなる高みに向かって常に努力し続けるための刺激でもあります。私の父は伝統というものを、まるでスポーツのスキーのように捕えていました。静的でなく動的、つねに動いていくものであり、進化していくものであると。
ー畑(自然の中)にいるとき、一番大切なものとは何でしょうか?
何よりも大切なのは、大地への尊敬の念です。
限られた資源、それぞれが唯一無二である自然には、持ちゆる限りの尊敬の念が払われるべきですし、考えられる限りの世話をするべきです。今の状態そのままに次の世代に譲り渡せるように。化学物質の使用は避けて有機肥料を使うなど、環境に負担をかけないように出来る限り努力することは、とても大切なことです。
我々の大地は密な粘土質であるため、適切なタイミングで畑仕事を行なうことが大変重要です。土の塊にして寒気をあて、ただし土が湿った際にはこの仕事は行なわず、土壌の有機栄養分を増やし肥やしていくのです。1メートルの百万分の一にも満たないごく細かな粒子が、少しずつ大きな粒子を形作っていくのです。こうして土壌が、柔らかく弾力をもち、水はけが良く、空気を含むようになるのです。
ーあなたにとって農家の方々との関係とは?
カペッツァーナで働く農家の方々との関係が、私の仕事において一番私に満足を与えてくれるものなのです。私は今まで、彼らと素晴らしい関係を築いてきました。相互に尊敬し合い、刺激し合い、真の友情を育んできたのです。
多くの経験を積んできた彼らから学ぶことがとても多く、また私からも研究の結果などを彼らに提供してきました。収穫について最良の策を真剣に話し合うことで、私たちは関係を作り上げていったのです。
私たちの仕事は素晴らしいものですが、同時にとても難しくもあります。同じような収穫年は決して無く、毎年違うのですから。今年正解だったことが、翌年当てはまるという訳ではないのです。その年はどう農作業を行なうのが適切であるか、毎年予測していかなければなりません。高齢の方々の経験から多くのアドバイスを受けらるのは、素晴らしい恩恵です。
年間を通してオリーブの樹々の世話をしてくれる農家の方々は80名ほどいます。オリーブの樹1本1本の影に、そうした農家の方々がいるのです。カペッツァーナの真の強みは、まさにここにあるのです。こうした素晴らしい方々と恊働できていて、我々は本当に幸運だと思います。
私たちのオリーブオイルは、深い愛情、情熱、そして果てしない手間の結晶です。味わっていただいたら、きっとその意味を判っていただけることでしょう。